所得税法施行規則第百二条第一項に規定する総収入金額及び必要経費に関する事項の簡易な記録の方法を定める件
(昭和五十九年三月三十一日大蔵省告示第三十七号)
所得税法施行規則第百二条第二項の規定に基づき、同条第一項(同条第九項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)に規定する総収入金額及び必要経費に関する事項の簡易な記録の方法を次のように定め、昭和六十年分の所得税から適用する。
1所得税法施行規則第百二条第一項 (事業所得等に係る取引に関する帳簿の記録の方法) (同条第九項の規定により読み替えて適用する場合を 含む。)に規定する取引のうち総収入金額及び必要経費に関する事項の記録の方法は、 当該取引に係る業務の区分及び当該事項の区分に応じそれぞれ別表に定める記録の方法とする。
2前項の取引のうち不動産所得、事業所得及び山林所得に係る総収入金額又は必要経費に算入されない収入又は支出を含むものについては、その都度その総収入金額又は必要経費に算入されない金額を除いて記録しなければならない。ただし、その都度区分整理し難いものは、年末において一括して区分整理することができる。
(一) 売上(加工その他の役務の給付等売上と同様の性質を有する収入金額及び家事消費等を含む。)に関する事項
取引の年月日、 売上先その他の相手方及び金額並びに日々の売上の合計金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
(1)少額な現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載する。
(2)小売その他これに類するものを行う者の現金売上については、 日々の合計金額のみを一括記載する。
(3)保存している納品書控、 請求書控等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する 。
(4)掛売上の取引で保存している納品書控、 請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取った時に現金売上として記載する。この場合には、年末における売掛金の残高を記載するものとする。
(5)いわゆる時貸については、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載する。この場合には、年末における時貸の残高を記載するものとする。
(6)棚卸資産の家事消費等については、年末において、消費等をしたものの種類別に、その合計金額を見積もり、当該合計金額のみを一括記載する。
(二) (一)に掲げるもの以外の収入に関する事項
取引の年月日、事由、相手方及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
(1)少額な雑収入等については、その事由ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
(2)現実に入金した時に記載する。この場合には、年末における雑収入等の未収額及び前受額を記載するものとする。
(三)仕入に関する事項
取引の年月日、仕入先その他の相手方及び金額並びに日々の仕入の合計金額を記載する 。ただし、次に掲げるところによることができる。
(1)少額な現金仕入については、日々の合計金額のみを一括記載する。
(2)保存している納品書、請求書等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する。
(3)掛仕入の取引で保存している納品書、請求書等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を支払つた時に現金仕入として記載する。この場合には、年末における買掛金の残高を記載するものとする。
(4)いわゆる時借については、日々の記載を省略し、現実に代金を支払つた時に現金仕入として記載する。この場合には、年末における時借の残高を記載するものとする。
(四)(三)に掲げるもの以外の費用に関する事項
雇人費、外注工賃、減価償却費、貸倒金、地代家賃、利子割引料及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
(1)少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
(2)現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載するものとする。
(一)収入に関する事項
(1)農産物(所得税法第41条第1項の農産物をいう。以下この表において同じ。)の収穫に関する事項
(2)農産物、繭、畜産物等の売上、家事消費等に関する事項
収穫の年月日、種類及び数量を記載する。ただし、米、麦その他の穀物以外の農産物については、収穫に関する事項の記載を省略することができる。
取引の年月日、売上先その他取引の 相手方及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
(1)少額な現金売上については、日々の合計金額のみを一括記載する。
(2)保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する。
(3)掛売上の取引で保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載する。この場合には、年末における売掛金の残高を記載するものとする。
(4)農産物の事業用消費若しくは家事消費等又は繭、畜産物等の家事消費等については、 年末において、消費等をしたものの種類別にその合計を見積もり、それぞれその合計数量及び合計金額のみを一括記載する。
(二)費用に関する事項
(1)農産物の収穫価額に関する事項
収穫の年月日、農産物の種類及び数量を記載する。ただし、米、麦その他の穀物以外の農産物については、収穫に関する事項の記載を省略することができる。
(2)(1)に掲げるもの以外の費用に関する事項
雇人費、小作料、減価償却費、貸倒金、利子割引料及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
(1)少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
(2)まだ収穫しない農産物、未成育の牛馬等又は未成熟の果樹等について要した費用は、年末においてその整理を行う。
(3)自ら収穫した農産物で肥料、飼料等として自己の農業に消費するものの事業用消費については、年末において、消費したものの種類別にその合計を見積もり、それぞれその合計数量及び合計金額のみを一括記載する。
(4)現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載するものとする。
(一)収入に関する事項
賃貸料、雑収入のようにそれぞれ適宜な項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、相手方及び金額を記載する。ただし、保存している契約書、領収書控等によりその内容を確認できる取引については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載することができる。
(二)費用に関する事項
雇人費、減価償却費、貸倒金、地代、借入金利子及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載する。ただし、 次に掲げるところによることができる。
(1)少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
(2)現実に出金した時に記載する。この場合には、年末における費用の未払額及び前払額を記載するものとする。
(一) 山林の伐採、譲渡、家事消費等の収入に関する事項
取引の年月日、売上先その他の相手方及び金額を記載する。ただし、次に掲げ るところによることができる。
(1)保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できる取引については、日々の合計金額のみを一括記載する。
(2)掛売上の取引で保存している納品書控、請求書控等によりその内容を確認できるものについては、日々の記載を省略し、現実に代金を受け取つた時に現金売上として記載する。この場合には、年末における売掛金の残高を記載するものとする。
(3)山林の家事消費等については、年末において、消費等をしたものの 種類別に、その合計金額を見積もり、当該合計金額のみを一括記載する。
(二)費用に関する事項
雇人費、減価償却費、貸倒金、利子割引料及びその他の経費の項目に区分して、それぞれその取引の年月日、事由、支払先及び金額を記載する。ただし、次に掲げるところによることができる。
(1)少額な費用については、その項目ごとに、日々の合計金額のみを一括記載する。
(2)まだ伐採又は譲渡をしない山林について要した費用は、年末においてその整理を行う。
(3)現実に出金した時に記載する。この場合には年末における費用の未払額及び前払額を記載するものとする。