(贈与等の場合の譲渡所得等の特例)
第五十九条 次に掲げる事由により居住者の有する山林(事業所得の基因となるものを除く。)又は譲渡所得の基因となる資産の移転があつた場合には、その者の山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算については、その事由が生じた時に、その時における価額に相当する金額により、これらの資産の譲渡があつたものとみなす。
一 贈与(法人に対するものに限る。)又は相続(限定承認に係るものに限る。)若しくは遺贈(法人に対するもの及び個人に対する包括遺贈のうち限定承認に係るものに限る。)
二 著しく低い価額の対価として政令で定める額による譲渡(法人に対するものに限る。)
2 居住者が前項に規定する資産を個人に対し同項第二号に規定する対価の額により譲渡した場合において、当該対価の額が当該資産の譲渡に係る山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上控除する必要経費又は取得費及び譲渡に要した費用の額の合計額に満たないときは、その不足額は、その山林所得の金額、譲渡所得の金額又は雑所得の金額の計算上、なかつたものとみなす。
さて、あなたは家の近くに土地を持っていたが、その土地が長らく公民館の敷地になっていた。
少額の地代をもらっていたが、高齢になってだんだん面倒くさくなってきた。
子供たちもすでに都会に嫁に行って帰ってくる気配もない。
敷地は自治会に寄付して、地代をもらうのをやめようかな、と考えたとする。
自治会は、地縁団体というものに該当し、市町村に認可を受けた認可地縁団体は地方自治法によって公益法人として取り扱われる。
敷地を自治会に寄付するというのは、無償で土地を譲渡することになるわけだ。
所得税法59条は、このような場合、時価で土地を譲渡したものとみなすこととしていることになる。
ただであげようと思っているのに、時価で譲渡したとみなされて、譲渡所得が発生する。
譲渡所得は、譲渡金額から取得費を差し引いた残額に20%の課税ということになるが、取得費といわれても、先祖伝来の土地でいくらで買ったかなどの記録が残っているはずもない。そうすると、95%が利益であるとされ、結局時価評価の18%が課税されるということになってしまう。
実におもしろくない話なのだが、ときどきこんなことが起きる。
ただであげたはずが、あげた人からさらに税金を取るという。
まことに理不尽なことである。
落ちを期待していた方には申し訳ないが、こういうことも世の中には存在している。
裏ワザとして、租税特別措置法40条という条文がある。
公益目的等の要件を満たし、税務署長の承認が得られれば、譲渡がなかったことになる。
チャレンジしてみるのもよいでしょう。
ご相談くださいませ。
第二百六十条の二 町又は字の区域その他市町村内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体(以下本条において「地縁による団体」という。)は、地域的な共同活動を円滑に行うため市町村長の認可を受けたときは、その規約に定める目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
② 前項の認可は、地縁による団体のうち次に掲げる要件に該当するものについて、その団体の代表者が総務省令で定めるところにより行う申請に基づいて行う。
一 その区域の住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理等良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動を行うことを目的とし、現にその活動を行つていると認められること。
二 その区域が、住民にとつて客観的に明らかなものとして定められていること。
三 その区域に住所を有するすべての個人は、構成員となることができるものとし、その相当数の者が現に構成員となつていること。
四 規約を定めていること。
③ 規約には、次に掲げる事項が定められていなければならない。
一 目的
二 名称
三 区域
四 主たる事務所の所在地
五 構成員の資格に関する事項
六 代表者に関する事項
七 会議に関する事項
八 資産に関する事項
④ 第二項第二号の区域は、当該地縁による団体が相当の期間にわたつて存続している区域の現況によらなければならない。
⑤ 市町村長は、地縁による団体が第二項各号に掲げる要件に該当していると認めるときは、第一項の認可をしなければならない。
⑥ 第一項の認可は、当該認可を受けた地縁による団体を、公共団体その他の行政組織の一部とすることを意味するものと解釈してはならない。
⑦ 第一項の認可を受けた地縁による団体(以下「認可地縁団体」という。)は、正当な理由がない限り、その区域に住所を有する個人の加入を拒んではならない。
⑧ 認可地縁団体は、民主的な運営の下に、自主的に活動するものとし、構成員に対し不当な差別的取扱いをしてはならない。
⑨ 認可地縁団体は、特定の政党のために利用してはならない。
⑩ 市町村長は、第一項の認可をしたときは、総務省令で定めるところにより、これを告示しなければならない。告示した事項に変更があつたときも、また同様とする。
⑪ 認可地縁団体は、前項の規定に基づいて告示された事項に変更があつたときは、総務省令で定めるところにより、市町村長に届け出なければならない。
⑫ 何人も、市町村長に対し、総務省令で定めるところにより、第十項の規定により告示した事項に関する証明書の交付を請求することができる。この場合において、当該請求をしようとする者は、郵便又は信書便により、当該証明書の送付を求めることができる。
⑬ 認可地縁団体は、第十項の告示があるまでは、認可地縁団体となつたこと及び同項の規定に基づいて告示された事項をもつて第三者に対抗することができない。
⑭ 市町村長は、認可地縁団体が第二項各号に掲げる要件のいずれかを欠くこととなつたとき、又は不正な手段により第一項の認可を受けたときは、その認可を取り消すことができる。
⑮ 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第四条及び第七十八条の規定は、認可地縁団体に準用する。
⑯ 認可地縁団体は、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)その他法人税に関する法令の規定の適用については、同法第二条第六号に規定する公益法人等とみなす。この場合において、同法第三十七条の規定を適用する場合には同条第四項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百六十条の二第七項に規定する認可地縁団体(以下「認可地縁団体」という。)並びに」と、同法第六十六条の規定を適用する場合には同条第一項中「普通法人」とあるのは「普通法人(認可地縁団体を含む。)」と、同条第二項中「除く」とあるのは「除くものとし、認可地縁団体を含む」と、同条第三項中「公益法人等(」とあるのは「公益法人等(認可地縁団体及び」とする。
⑰ 認可地縁団体は、消費税法(昭和六十三年法律第百八号)その他消費税に関する法令の規定の適用については、同法別表第三に掲げる法人とみなす。