①引き合いが来た。
②施主と相談して何がしたいのかを確認する。
③外注さんや材料屋さん・リース屋さんと相談しながら実際の作業工程を組み立てる。
④実行予算とお見積りを作成する。
⑤お見積りの承認をいただく(注文書・契約書)
⑥現場初日から工程を積み上げていく。
⑦手付や中間金をいただく。
⑧完成したら、完了検査していただく。
⑨オッケーいただいたら引き渡す。
⑩見積に追加工事などを加えて請求書を作成してお渡しする。
⑪残額を入金する。
さて、経理がどのようになるか組み立ててみよう。
①引き合いの段階では、営業経費が発生するだけ。
②リクエスト内容を確認するのは実務的に重要な事項になる。経理は発生しないが、漏れのないようにしっかりと聞き取ること。
③外注さんなどの外部業者から見積もりを取っておく。内部の人工の手配や、社内のユンボなどの手配、しっかりと現場に支障をきたさないように作動状況なども確認しておくこと。いかに効率よくできるか、段取りが技である。実際にできなかったら困るから、多少のあそびを作っておこう。経理は特に発生しない。
④予算は、工程表見積書と合わせて現場監督の仕事の目安になる。粗利益をきちんととってお見積りを作ろう。ここでも経理は発生しない。
⑤注文・契約をいただくと、仕事をしなくちゃいけないのっぴきならない立場に追い込まれる。特に経理は発生しない。
⑥いよいよスタートだ。「仕掛工事(A現場)」という勘定科目に片っ端からかかった経費をぶち込んでいく。材料費、労務費、リース料、外注費、諸雑費、周辺住民への菓子折代、あとは時間との戦いだ。いかに的確迅速に予定をこなせるかどうかにすべてがかかっている。金額が決まっているのだから、ロスミスは絶対に許されない。
⑦工期が長い場合や材料代が高額の場合には、契約時に前受金や中間金をいただいておく。これは「前受金」という名前でお金をもらっておくことになる。もらっておかないと資金繰りがきつくなる。
⑧てきぱきと完成したら、施主に完了を検査してもらう。オッケーが出れば晴れてミッションコンプリートだ。
⑨引き渡しは、できれば「引渡証」のような書面を作っておこう。会計税務法律どの分野でも、このタイミングが重要な意味合いを持つからだ。会計的にはお金をもらう権利が発生し、売上が立ち、消費税もたつ。仕掛工事も全額原価に落とす。クライマックスといってもよい。
⑩社長さんが一番好きなのは、このタイミングかもしれない。請求書を堂々と渡す。
⑪経理が一番好きなのは、このタイミングかもしれない。残額が入ってきて、前受金と合わせて完成工事未収入金をゼロにする。口座にはたっぷりとお金が入金して、労をねぎらってくれる。
最初に売り上げが契約で決まってしまって頭打ちになりかねないのが請負工事の特徴だ。ミスロスは命取りになる。現場に入ったら、できる限り早く工事を完了することに全力集中すること。
どんどんお金を立て替えなければならない羽目になるので、工期次第では手付や中間金をもらう。恥ずかしいことではない。いい仕事をしてあげている自信を持とう。他人のお金をあなたが払う必要はないのだから。
完成のタイミングで一気に売上と原価が立つのも請負業の特徴だ。工期を頭に入れて決算のタイミングとすり合わせよう。